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カスタマーハラスメントの実態と対策 -そして、お客様相談室は次なるステージへ-
重要「セミナー会場における感染症予防対策について 2023年9月更新」
レポート


2023年9月21日(木)「カスタマーハラスメントの実態と対策 -そして、お客様相談室は次なるステージへ-」を開催いたしました。
株式会社プレジィール お客様相談室の天野さんにご登壇いただきました。
社会状況の変化とともに消費者も変化しています。
だから当然クレームの原因も変化しています。
その変遷をご自身の経験や実例を交えながらお話くださいました。
「過剰な寄り添い対応、いわゆる神対応は、会社や業界にとっても良くない」
「断ったっていいんですよ」
こんな話を聞いたのは初めてのことでした。
公平感の欠如やクレームの範囲を拡大させる結果になったから反省している、と天野さんはおっしゃいました。
ではこれからはどのように応対していくべきなのか。
それは「クレーマーと一般顧客を区別」し、企業ポリシーに沿った対応をすること。
それがブランドの構築やファンを作ることへつながるから。
きちんとこちらを向いてお話してくださる方としっかり向き合って応対すること。
そのためには会社としての対応ポリシー、ガイドラインを作ること。
お客さまの声を傾聴し、クレームかご指摘かを見極めること。
対応不可なことは「断る」、その勇気も重要。
天野さんのお話を聞きながら『なんだ、そういうことだったのか!』と腹落ちするとともに、とても気持ちが楽になるような感じがしました。
そして、あらためて自分たちの仕事は「誰でもできる簡単な仕事ではない」と実感しました。
様々な現場で日々お客さま応対をする仲間と、この講演を聴くことができたことをとても嬉しく思います。
ご参加いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
後日談
先日、天野さんの講演の後、社員から質問を受けました。
Q.宮脇は「顧客に寄り添え」と言い、
天野さんは「寄り添うな」と述べた。
この言葉の違いをどう理解すべきでしょうか?
天野さんの「寄り添うな」の意図は、仲間たちに向けた励ましのメッセージで、あったと考えます。
天野さんが言いたいことは、
①『まずは、個々の顧客に寄り添うことが大切であり、誰であれ、
まずは、先入観抜きで、顧客に親切に接するべきだ』ということでしょう。
その上で、窓口には顧客でない「それ以外の人々」からの連絡が入ることがあります。
私たちは訓練を受けプロフェッショナルとして働いています。
「顧客」と「それ以外の人々」を区別できるはずです。
つまり、天野さんのメッセージは
②『対応すべきは「顧客」です。
「それ以外の人々」に対して同様のアプローチをとる必要はない』と言っているのです。
③『「顧客ではない」と感じた場合、他の人に変わってもらい適切に対処するべきだ』と。
人を変えた方が、場の空気が代わり、冷静になる可能性が大きいからです。
一方で、顧客であると判断した場合、最大限に寄り添ってサポートするべきです。
これは、宮脇の専門分野で、得意とするところですね。
2人のメッセージはこのようにご理解いただくとわかりやすいのではと思います。
なお、顧客の判別は確かに難しい課題ですが、以下のポイントを考慮すると良いんじゃないかと考えます。
1.相手が真剣に話しているかどうか
2.問いを投げ、その質問に対する反応が理にかなっているか
3.プロの判断に基づいて、相手が対応すべきでないと判断した場合
宮脇個人としては、対応はその人にしかわからないので、3番目の基準を適用することを支持します。
私たちは訓練を受け、学習し、実践し続けています。
『「あなた」がそういうなら、それが正しい』なんだと思います。
そのためにも、プロのコミュニケーター同士で意見を交換し、顧客でないと判断される場合にどのように対応するかを話し合うべきだと思います。
マネージャーは、そのような状況でどのように対応すべきかを考える役割があります。
ここで重要なのは、私たちがエージェントであるということ。
つまり代行者、メーカーの指針に従いつつ、信頼を築き、
私たちの専門知識と判断を尊重してもらえる関係を築いていくことが肝要なのです。
イベント概要
昨年末から注目されたカスタマーハラスメント対策。
その実態と企業の反応がどのような状況になっているのか?
今回は、カスタマーハラスメント対策に尽力されてきた天野さんに、詳しくお話しいただきます。
天野さんは「カスタマーハラスメント対策の基本は『私たちのお客様は誰なんだ』と全社員が見つめなおすことから始まる」とおっしゃいます。
さらに「これからの経営においては、お客様対応部門が経営の中心に位置すべきであり、それには経営陣の意識改革が必要だ」と強調されています。
その理解を促進するために最も重要なことは、お客様対応部門が既成概念にとらわれず、経営貢献にチャレンジし、アピールしていく姿勢だと提言されています。
天野さんの考えは、自社だけではなく企業や業界を越えて切磋琢磨して学ぶことが、突破口になるのではないかという点にあります。
彼の言葉を通じて、私はこのような姿勢が未来の成功への鍵であると考えています。
さらに、私の師の1人である天野さんが思う未来のお客様対応部門の姿についてお話いただき、問題定義していただきます。
未来へのヒントが詰まったお話は、きっとみなさまのお役に立つと思います。
みなさまのご参加、お待ちしております。
アカデミー長 宮脇 一
講師プロフィール
天野 泰守(あまの やすもり)氏
株式会社プレジィール お客様相談室
天野 泰守(あまの やすもり)氏
株式会社プレジィール お客様相談室
1988年 名古屋支店シリアル市場参入プロジェクト シリアル全国販売立ち上げ実施
1997年 神奈川、仙台にて営業責任者
2003年 CRMグループお客様相談室勤務 リーダー
2005年 お客様相談室⻑就任
2010年 営業本部 お客様相談室に改編
総合企画本部 カスタマーコミュニケーション部 お客様相談室に改編
2012年 お客様相談室⻑退任
2013年 総合企画本部
コーポレートコミュニケーション本部 本部⻑補佐
2015年 日本菓子BB協会出向 事務局⻑・日本対応進化研究会参加
2016年 日本菓子BB協会常務理事就任
2022年 日本菓子BB協会非常勤アドバイザー就任
2023年 日本菓子BB協会退任
2023年 (株)プレジィール入社 お客様相談室勤務