情報工房コンタクトセンターアカデミーコラム「音声が可視化する」って、すごいことですよね。(1)

「音声が可視化する」って、すごいことですよね。(1)

2019年04月11日(木)

さあ、コンタクトセンターの未来を語ろう、を始めます。

先日、日本コールセンター協会の「CCAJコンタクトセンター・セミナー2019」で「コンタクトセンターの人材難を救うためのAIの活かし方」というセッションを担当しました。元同僚で古い知り合いの、㈱ベルテック 松岡常務とのトーク形式で進めました。
お話ししたのは、音声認識とチャットのふたつを活用することで、人材の流出や採用難、育成難に悩むコンタクトセンターを救う。そのためには、導入の順番をはじめロードマップが大切だ、という内容でした。
そこでは音声認識に本格的に取り組む前にチャット、それもチャットボットではなく有人チャットに目を向けるほうがうまくいく、という話をしました。

そう考えている理由や、そのロードマップで実現したい近未来のコンタクトセンターの姿について語っていきたいと思いますが、このコラムでは音声認識の話から始めようと思います。
マルチチャネル化が少しずつ進んでいるとはいえ、今もコンタクトセンターの主力のメディアは電話=音声だからです。


音声認識は最新のAIに磨かれて一気に性能を高め、コストも下がってコンタクトセンターでも採用できるツールになりましたが、開発の歴史は古いものです。私が最初に詳しい話を聞いたのは20数年前、NTTの研究所でした。

音声認識エンジンに学習させるための音声サンプルを集めるプロジェクトに参加したことを記憶しています。今ふうに言えばビッグデータです。
機械翻訳の開発も別チームで行われていて、それと音声認識、音声合成を組み合わせると通訳システムになる、と聞いて目を輝かせたものですが、当時は通訳システムの実用化には30年かかるか50年かかるか、と聞きました。
それが、今では小型の通訳装置まで市販化される時代になりました。技術開発の加速はすごいものです。

音声認識エンジンについては、カーナビから普通のスマホにも搭載されるようになり、AIスピーカーにも展開されて、すっかりありふれた技術になった感があります。

仕事の分野では医療分野などで早くから活用されてきました。
医師がカルテに入力する時間を短縮するために音声で入力し、その認識結果を補助者が確認して必要な修正を加えたうえで電子カルテなどのシステムに反映する、というもので、欧米が先行しています。
5年ほど前には米国の医師の音声入力の認識結果を確認・補正する仕事をフィリピンでBPOとして行っているセンターを見学させてもらったことがあります。こんな仕事もアウトソースされるのだ、と驚いたことは今も鮮明です。

ありふれた技術になったあとにコンタクトセンターに適用されるようになったため、コンタクトセンターで音声認識が使えることのありがたさが少し軽視されていないか、という気がします。

でも、コンタクトセンターの何が難しいか、を考えるほど、音声認識によって音声が可視化することはすごいことだと思うのです。次回に詳しく。

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