情報工房コンタクトセンターアカデミーコラム講演後記 -時代に合わせて変化する『顧客満足』進化論-

講演後記 -時代に合わせて変化する『顧客満足』進化論-

2021年01月28日(木)

JCAセミナー 「時代に合わせて変化する「顧客満足」進化論」
講演後記(コメントより抜粋 / 文責 : 宮脇)


今日は大変ど真ん中の話だなあ・・と思っておりました。
私にとってはどんな話になるのか、大変興味津々のテーマを聞かせていただきました。

「ど真ん中」と申し上げたのは、私はコールセンターと共に仕事をして30年、40年くらいになるのですが、そのスタートの時から「フリーダイヤルって単なる受注の機会じゃないよね」「フリーダイヤルの存在意義は一体何なんだろう?」と考えてきました。
その中でドラッカーと出会ったり、話の中に出てきたMOT「真実の瞬間」という、1990年に出された本を何度も読んだ記憶があります。

「伝統は革新とともにある」っていう帝国ホテルの信条があります。
私は、その言葉大好きです。「変えてはいけないものと変えなきゃいけないものってのは必ずある、裏表である。そして、それを見分ける眼力が大事なんだ。」これが帝国ホテルの信条なんですが、今日のお話の中にそれをすごく感じました。
変えてはいけないもの、それは「お客様なんだ」、徹底的に「お客様目線なんだ」と。

CRMやCSを考え始めた頃に、顧客データベースっていうの「顧客管理だ」という人がいました。それからRFMという指標ができます。通販のヒット率を上げるために顧客データベースの中から条件をかけて対象を絞り込む、というのです。

「絞り込み」って嫌な言葉ですよね。その次に今度は「囲い込み」という言葉が出てきた。
もうとにかく嫌な言葉に攻めたてられていた時代でした。
でもそうじゃないんだ、ということを私は、ずっとこだわってきました。

少し後の時代になりますが、大阪でNTT西日本に勤務していた時に、「カスタマーファースト」というCS運動みたいなのが会社でありました。これが何となく勢いがなくなってきて、手詰まり感があったので、次の展開に行こう、何のため、どういう名前にして、どういう活動に衣替えをするかというのを社長からのオーダーで考えることになりました。 その時、みんなと一緒に考えたのが「ウイズ、カスタマー」という名称でした。
その言葉だけで中身を表しているわけではないですが、考えたことは「徹底的にお客様目線で、お客様の言葉で話して、そしてそれにどれだけ自分たちが近づけるか」ということを考えようとしました。今日のお話をお聞きして、今から考えると、そう遠くはなかったかなと思えます。その変えてはならないもの、自分が大事にしてきたものを、今日あらためて本流でやって来られた二人から再確認をさせて頂いて、とても嬉しかったです。

そして、それに終わらなくて「なるほどこういう風に進化してるのか」というのが3点ありました。

1つは、「を」ではなく「が」
この「を」ではなく「が」、というのを強調することによって、真髄が伝わっていくということを、やっぱり突き止められたんだなということがすごくよく解りました。

ふたつ目は、「コア」と「フリンジ」
「コア」と「フリンジ」の2つに分けるだけなら、おおかた想像がつきますが、それをさらに分け4つに分類すというところは、話を聞いていても、実際にそれを見せてもらうまでは頭の中では描けませんでした。しかし、それはストンと落ちました。「なるほどな」と思いました。以前読んだMoment of Truthの本に書かれてたことも、これに当てはめるともっとよく理解ができるような気がしました。

最後は、その「MOTサイクル」というのを可視化する
カスタマージャーニーという言葉が、私が嫌いです。すごく売り手目線な言葉のように感じます。CX経営と言ってCXが上位概念で、CSとかは下位概念だって言う人が最近いますが、まるっきり逆ですよね。

今日お聞きした「MOTサイクル」とそれを可視化するツールは、本当にわかっていることをもっとわかるようにする。あるいは、分かっていることを具体化する。
あるいは、わかっているってことを一旦可視化した上で、どうやって実現するか、どうそこにつなげていくのか、に役立つ。これは本当に使ってみたい方法論だと思いました。

今日はいい話を聞かせて頂きました。
ありがとうございました。

武藤 弘和

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